混載便の外装異常による商品事故とは
混載便扱いでお届けした荷物が、中身の商品や製品には異常、損傷がないにもかかわらず、外装の汚れ・しわ等で受け取りを拒否されるケースがあります。これらは再配送、再梱包など運送事業者の負担となっています。全日本トラック協会がH26に行った混載貨物輸送による貨物事故調査によると受取人に受け取りを断られた配達荷物の約3割が中身の商品に異常の無い「外装異常」によるものだったそうです。2024年問題にみる規制強化がすすみ、2030年問題にみる労働人口の減少による輸送力の低下が拒めない今後は、あらゆる弊害を予知、予防することが求められます。
混載便の特徴とメリット・デメリット
混載便とは、1台のトラックに複数の荷主の荷物を積合せて輸送することです。
トラック1台をチャーターする程の荷量では無い荷物の輸送コスト削減に最適ですが、輸送するコストを削減する代わり、発送拠点、中継拠点、配達拠点での荷物の積み下ろしが発生する分、荷物に対するアクションが増加します。
それに加え異なった荷物を効率よく荷台に積み合わせようとするため荷物同士の接触が発生しやすくなります。よって、これらに耐えうる梱包が必要です。
荷物の受け取り側の認識事例
例えば通販の荷物などは外箱の凹みや、汚れがあったとしても中身が損傷していなければ返品や交換と言われることは少ない。これは化粧箱と化粧箱に追加された輸送用梱包によるものと考えられます。
業界団体の活動とメッセージ
全日本トラック協会では、混載便により得られるメリットを考慮頂き、必要な梱包の対応のご協力をお願いしたいとメッセージを発信しています。食料品、医薬品、家電製品、缶製品類が外装異常で受け取り拒否をされるケースが多くなっているとのこと。箱も商品として扱われる製品、中身が衝撃に弱い製品や、裸のまま輸送される製品は、特に受け入れが厳しくなっているので、それぞれ適切な荷造りをお願いしたいと付け加えています。
まとめ
混載便に注力し、中継拠点を充実させてきた当社では、すべての営業拠点に営業スタッフを配置し、より質の高い混載便サービスに取り組んでおります。新たに当社の混載便についてお問い合わせ頂く荷主様へは、きめの細かいご説明やお打合せをさせて頂き、無駄の無い物流体制の提供に努めて参りますのでよろしくお願いたします。
参考資料:全日本トラック協会 貨物事故削減啓発リーフレット